|
|
|
|
|
北アルプス、乗鞍岳・小蓮華山・白馬岳(2,932m)・雪倉岳・朝日岳
|
|
平成21年(2009)9月6日(日)~9日(水)歩行合計23時間30分 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
雪倉岳より白馬岳(左)から歩いてきた稜線を見る。右は旭岳 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
池塘の中の小さな浮島
|
食虫植物 モウセンゴケ(毛氈苔)
|
|
|
|
|
|
|
今年は天候不順のため予定より一ヶ月遅れの北アルプスとなった。青春18切符を利用しての山旅のため1日目は栂池山荘泊まりとする。松本発11時07分発の大糸線に乗り南小谷駅で降りバスで栂池高原へ行く。ゴンドラリフトとロープウエーを乗り継いで栂池自然園駅に着く。途中山の斜面にはオオシラビソが沢山の青黒い実を付けている。ロープウエーのガイドの説明によると今年はオオシラビソの実が例年より多いという。このように実が多い年は自然災害が多い事が過去の例にあるようだ。栂池自然園駅から栂池自然園入口までは林道を少し歩く。栂池ヒュッテ、栂池山荘、ビジターセンターなどが並んで建っている。栂池山荘で宿泊手続きを済ませ栂池自然園を散策する。生憎の曇り空で遠望は利かないが、山腹に掛かる滝が白く落ちるのが眺められる。花はほとんどが終わりだったがシシウドやヤマトリカブトが多く咲いていた。池塘も所々にあり、地面を這うように生えているモウセンゴケが紅葉していた。モウセンゴケはよくよく注意して見ないと判らない草だ。 |
コースタイム:散策2時間10分
高尾駅~松本駅11:07~南小谷駅(バス¥500)~栂池高原(ゴンドラリフト、ロープウエー¥1,720)~栂池自然園(周辺散策)2:30~4:40栂池山荘 |
|
|
|
|
|
|
2日目:9月7日(月)栂池自然園~乗鞍岳~小蓮華山~白馬岳 |
|
|
|
|
|
天狗原付近より双耳峰の鹿島槍ヶ岳と五竜岳(右)
|
天狗原の池塘
|
|
|
|
|
|
|
朝、暗い内に起きてコーヒーとドーナツなどで朝食を取る。栂池山荘の展望室からは小蓮華山や白馬岳などが朝日に浮かび上がる。周囲が明るくなってから出発する。低い樹林の登りだが所々に展望のよい所がある。栂池自然園の建物が次第に小さくなり、周囲の展望も開けてきて天狗原に到着した。周辺は池塘のある平地で前方には平らな乗鞍岳が見える。木道の天狗原を過ぎると歩きにくい岩塊の登りとなる。 |
|
|
|
|
|
左より焼山、火打山、妙高山、高妻山 |
乗鞍岳より小蓮華山、白馬岳方面 |
|
|
|
|
|
|
途中に雪渓も残っていてこのあたり雪解けが間もないと見えてお花畑となっている。遠く高妻山、妙高山、火打山など新潟の山が雲海の上にくっきりと浮かんでいる。岩塊の登りは頂上付近まで続き、やがて緩やかなハイマツ帯となって乗鞍岳頂上に達した。この乗鞍岳は北アルプス南部の乗鞍岳3,026mと区別するため白馬乗鞍岳ともいわれており、正に馬の鞍を置いたような平らな山容だ。乗鞍岳頂上にはケルンが建てられていてとても山の頂上とは思えない平坦な場所だ。前方には青空の下、白馬鑓、白馬、小蓮華などの山々がにょきにょきと生えてるように飛び出している。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ハイマツ帯を下っていくと眼下に紺色の水を湛えた白馬大池が見えてきた。岩塊の道を下り池のほとりを辿り白馬大池山荘前を通りすぎる。 |
|
|
|
|
|
ミヤマリンドウ(深山竜胆) |
雷鳥坂より平坦な乗鞍岳を見る |
|
|
|
|
|
|
広い砂礫の道に変わり周辺はお花畑のようでチングルマの綿毛が残っている。周辺の景色を眺めながら緩やかな雷鳥坂を登る。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
次第に高度をあげ船越ノ頭では白馬大池とケルンの立つ乗鞍岳が眼下に見える。右手には雪倉岳や朝日岳を、前方には白馬岳や白馬鑓などを眺めながらの快適な歩きだ。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
小蓮華山への縦走路より白馬鑓ヶ岳 |
|
|
|
|
|
|
|
歩いてきた縦走路を振り返る |
小蓮華山への縦走路より白馬鑓ヶ岳 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草) |
白馬鑓ヶ岳と白馬岳(右) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
小蓮華山から雪倉岳(2,610m)を見る |
小蓮華山から歩いてきた稜線を見る |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ミヤマアズマギク(深山東菊) |
|
|
|
|
|
ミヤマアキノキリンソウやミヤマアズマギクなどもまだまだ綺麗に咲いている。やがて岩礫の小蓮華山に到着した。頂上付近は崩壊の危険があって立ち入り禁止となっている。ここで行動食をとりしばらく休憩する。何人かの登山者が通り過ぎていく。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
立山と剱岳(右) |
トウヤクリンドウ(当薬竜胆)と旭岳(2,867m) |
|
|
|
|
|
|
小蓮華山からは一旦下りになり程なく三国境の分岐だ。ここからは砂礫と岩稜の登りだがほとんど心配のいらない道だ。目の前に大きな旭岳と前方に剱岳が見えてくると白馬岳山頂は間近い。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
杓子岳(左)と白馬鑓ヶ岳(中央) |
レストランでのビーフシチュー(上)とハンバーク |
|
|
|
|
|
|
白馬岳頂上でしばらく景色を楽しみ、白馬山荘へと下る。
宿泊手続きを済ませ山荘脇のレストラン・スカイプラザ白馬で山の景色を見ながらビールを飲む。一旦部屋に戻り夕食はこのレストランのハンバークステーキ(¥1,900)にした。ただし、白馬山荘には宿泊手続き時にレストランでの食事の予約をしないといけないので注意が必要。 |
コースタイム:歩行7時間
栂池山荘5:25→6:35天狗原→7:50乗鞍岳→8:35白馬大池→10:30小蓮華山11:20→12:08三国境→12:55白馬岳13:35→13:45白馬山荘 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
白馬岳からの日の出 |
朝焼けの雪倉岳(右)、朝日岳(中央奥) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
早暁の白馬岳、前方は立山(左)、剱岳(右) |
|
|
|
|
|
朝5時過ぎに白馬山荘を出発し山頂へ向かう。風速20m程度だろうか、西からの強風が激しい。夜明け前に山頂に到着し日の出を待つ。東の水平線が赤みを増し、やがて高妻山の脇から日の出が始まる。背後の剱岳がうっすらと紅色に染まる。日が昇りご来光を見に来ていた6~7名の人たちも散っていく。強風の白馬岳頂上を後に朝日を受けて輝く雪倉岳方面に向けて下る。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
雪倉岳と避難小屋((中央左下) |
ミヤママツムシソウ(深山松虫草) |
|
|
|
|
|
|
三国境を過ぎたあたりはお花畑とみえて朝日を浴びて輝くチングルマの綿毛の群落や濃い紫色のマツムシソウが咲いている。このあたり起伏は緩やかな下りで歩きやすいところだ。花々や景色を見ながら鉢ヶ岳を巻いていく。非常時以外は使ってはいけないという雪倉岳避難小屋は綺麗に整備されていた。ここからはトウヤクリンドウの咲く雪倉岳の登りとなる。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ヨツバシオガマ(四葉塩竃) |
|
|
|
|
|
|
|
小蓮華山稜線に掛かる竜のような雲 |
前朝日と朝日小屋(前朝日の右側)と朝日岳 |
|
|
|
|
|
|
ハイマツ帯ではハイマツの実を好んで食べるというホシガラスが数羽あわただしく飛び交っている。三角点のある雪倉岳頂上からは旭岳や白馬岳の展望が素晴らしい。昨日歩いた乗鞍岳から白馬大池、小蓮華山、白馬岳への稜線も一望の元だ。さらに北にはこれから行く朝日小屋の赤い屋根も見える。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
雪倉岳からは標高差600mほどの下りになる。途中で今日泊まる予定の朝日小屋の女性管理人の清水ゆかりさんと出会う。なんでも今日は用事があって白馬岳へ行くそうだ。とても健康そうに日焼けして明るい方だった。雪倉岳への斜面をたくましくしっかり登って行かれた。ガレ場やお花畑のある辺りは霧が立ち込めている。水場のある平地でバーナーでお湯を沸かし昼食とする。燕岩を過ぎ小さな起伏の多い水平道に入り、時折霧雨となるので先を急ぐ。朝日小屋は清潔で感じのいい小屋だ。 |
コースタイム:歩行7時間20分 白馬山荘5:05→5:20白馬岳5:35→6:08三国境→6:50鉱山道分岐→7:50避難小屋→8:30雪倉岳9:00→10:40水場11:10→12:05水平道→13:40朝日小屋 |
|
|
|
|
|
|
4日目:9月9日(水)朝日小屋~朝日岳~五輪尾根~蓮華温泉~大糸線平岩駅 |
|
|
|
|
|
白馬岳(右)から小蓮華山の稜線 |
小蓮華山、雪倉岳、白馬岳、旭岳 |
|
|
|
|
|
|
朝、暗い内に朝日小屋を出発する。霧が出ていて月はうっすら見えるが周囲の山は見えない。1時間ほどで朝日岳頂上に着いた。周囲は雲に覆われて展望は開けない。しばらく様子を見ていると時折雲が切れて陽が差す。早めに蓮華温泉に着きたいので下りに掛かる。吹上のコルは日本海に続く栂海新道との分岐点だ。降りてきた朝日岳の緑が綺麗に見える。ぬかるみの下りやダケカンバの道を行く。時折雲が流れて白馬や小蓮華方面の山々が見えるようになった。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
ヤマトリカブト(山鳥兜) |
ワレモコウ(吾亦紅)
ワレモコウ咲き出て花のつもりかな(一茶) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
木道の五輪尾根をひたすら下る。乾いた木道歩きなら快適だが、塗れた木道は滑りやすく気が抜けない。中には滑って転んで骨折する人もいるのだ。延々と続く木道に気を取られ周囲を見る余裕がない。と言っても霧の中だから見えるのは花ぐらいのものだ。花園三角点を過ぎカモシカ坂の木道を下る。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
鉄パイプで組んだ白高地沢の仮橋 |
大糸線平岩駅ホームより |
|
|
|
|
|
|
白高地沢に出て鉄パイプで組まれた危なっかしい仮橋を渡る。右手下にひょうたん池をみてしばらく歩くと鉄製の今度は頑丈そうな橋を渡る。ここから蓮華温泉への登りが始まる。兵馬ノ平にでて木道の湿原を渡り蓮華の森に出る。しばらくの登りで蓮華温泉に到着した。白馬岳蓮華温泉ロッジで入浴(¥800)する。お湯は乳白色でしびれるように熱い湯だ。水を入れて覚ましながら入る。お風呂を出て食堂で生ビールと昼食のうどんを頼んだ。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
オニシオガマ(鬼塩竃) |
|
|
|
|
|
蓮華温泉14時10分発のバスに乗り大糸線平岩駅に到着した。大糸線平岩駅に来たのはたった1両の電車だった。青春18切符のため特急電車は使えない。そのため南小谷駅で乗換え、信濃大町駅で乗換え、松本駅で乗換え、甲府駅で乗換え、高尾駅で乗換え、そして地元駅に着いたのは23時38分だった。各駅停車の長い旅が終わった。家に着き松本駅で購入した牛肉弁当は、各駅停車の旅と同様になかなか乙な味だった。 |
|
|
|
コースタイム:歩行7時間
朝日小屋5:00→6:00朝日岳6:20→6:50栂海新道分岐→8:20五輪ノ森→8:25青ザク→9:00花園三角点→10:00白高地沢→11:40兵馬ノ平→12:10分岐→12:25蓮華温泉(バス¥1,180+荷物料金¥310)14:10~大糸線平岩駅~南小谷駅~信濃大町駅~松本駅~甲府駅~高尾駅 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright (C) 気ままに山歩き All Rights Reserved |
|
|
|
|
|