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奥秩父・北奥千丈岳(2,601m)~金峰山~瑞牆山
平成26年(2014)9月27日土)~28日 7名
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大弛峠~北奥千丈岳~国師ヶ岳~金峰山~瑞牆山~みずがき山荘のコースマップ
     
   
大弛峠の道路を進むと各方面への標識がある
1日目(9月27日):奥秩父山塊の最深部は今まで交通の便が悪く行ったことがなかった。しかし今夏から塩山駅~大弛峠間にバスが運行されることになり、今回歩いて見ることにした。塩山駅で予約していたバスは申し込みが多かったと見えて、我々のグループはジャンボタクシーの方に乗せられた。このため柳平での乗換もなく大弛峠直行で、予定より30分ほど早く着いた。大弛峠手前の道路は車で溢れていて路上駐車の車が多い。タクシーを降りて進むと道路の突当たりに各方面への標識がある。標高2,365mの大弛峠から東(右)方向に行くと直ぐに大弛小屋がある。ここから15分ほど登ると夢の庭園の分岐に出る。この分岐を右に行くと夢の庭園が出てくる。
夢の庭園から南アルプス、北岳(中央)と甲斐駒ケ岳(右)
夢の庭園は低灌木と巨石のある開けたところで南アルプス方面の展望がいい。ベンチも置かれていて見晴らしを楽しめるようになっている。しかしごく限られた展望地の様なところで広いところではない。
夢の庭園上部から北奥千丈岳(左)と富士山
夢の庭園からは再び木製階段を登って行く。前方に見える北奥千丈岳は深い緑と黄色と赤の木々で彩られ、日の光を受けて輝いているように見える。稜線の上には富士山も見えて正に絶景といっていい。更に進んで行くと再び樹林帯に入り前国師への急登となる。前国師からは緩やかな道になり三繋平の分岐を右へ向かう。ほんの一投足で奥秩父最高峰の北奥千丈ヶ岳(2,601m)の山頂がある。北奥千丈岳からは西側を中心に広い範囲で眺望が得られる。大弛峠からここまで1時間弱、あまりの手軽さに申し訳ないような感じさえする。
国師ヶ岳から黒金山(手前左)と乾徳山(手前右)、上方は大菩薩方面
北奥千丈岳から元の分岐に戻り右に行くと、ここも一投足で国師ヶ岳(2,592m)の山頂である。山頂から俯瞰すると黒々とした黒金山や独特の尖ったピークの乾徳山が見えている。北奥千丈ヶ岳、国師ヶ岳とも互いに補うように展望がある。即ち北奥千丈岳からは西、北、東方面の展望が、国師ヶ岳は南の富士山方面がよく見える。また両方の山頂は互いに近く、山頂に人の姿を見ることも出来る。北奥千丈岳と国師ヶ岳周辺は木製階段が整備されており自然公園か遊歩道といった感じでもある。国師ヶ岳で富士山を充分眺めてから、来た道を辿り大弛峠へと戻る。
朝日岳へ向かう途中から、三宝山(左 2,483m)、甲武信ヶ岳(中央)、木賊山(右)
大弛峠からは西に直進しシラビソの樹林帯に入る。直ぐに階段状の急登となり幾つかの小ピークを越えていく。樹林に囲まれた朝日峠で一休みしてから登っていく。稜線は次第に開けてきて岩塊の積み重なる展望台地にでる。奥秩父主稜線の甲武信ヶ岳を含む三つの山が遠望でき、歩いてきた北奥千丈岳が大きく見える。
朝日岳へ向かう途中から小川山周辺の岩峰群
眼下に見える岩峰群に一瞬瑞牆山かと思ってしまったがどうやら違うようだ。小川山、廻り目平周辺の岩峰群のようだ。更に登って行くと直ぐに朝日岳山頂となる。標識があり、その先に堂々たる金峰山の大展望が広がる。しばし五丈岩に至る金峰山の大展望を眺めてから、ザレた急斜面を下り樹林帯へと入って行く。緩やかな起伏となり鉄山(くろがね山)を巻いて行くと最鞍部に達する。再び登りとなり詰めて行くと樹林が次第に低くなり森林限界となる。平坦地となり岩屑が散乱する賽ノ川原では、あいにくガスが出てきて見晴らしはない。 賽ノ川原からほぼ直角に左折して進んで行くと次第に岩塊が多くなってくる。巨石で造られた自然の洞門を抜けると金峰山(キンプサン:山梨県側、キンポウサン:長野県側の呼び名)の三角点がある。この辺りは大きな岩塊が積み重なっていて、岩と岩の隙間も多く歩きにくい。すぐ裏手の大岩上に最高点2,599mがある。金峰山山頂からは五丈岩(ゴジョウイワ、ゴジョウセキ:五丈石とも言われる)が直ぐそばに見えるので岩塊の上を渡って行く。五丈岩の下は岩塊も少なく格好の休憩地となっている。高いところが好きな人は五丈岩の途中まで登って楽しんでいる。しかしガスが出て展望も得られないので早々に金峰山小屋へと下る。金峰山小屋への下りは標高差180mくらいで20分以上はかかった。
金峰山小屋は下が食堂になっていて2階が寝室になっている。我々の寝場所はそこのロフトであった。おとなしい黒い犬の居る1階食堂のテーブルで、お互いにつまみを持ち寄ってビールや梅酒などで飲み始める。自分はビールではなく持参の焼酎をお湯割で飲む。夕食の順番が回ってきて、セルフサービスで料理を取りにいく。一つの皿にメロン、サラダ、パスタ、ご飯が盛られている。ご飯の上にはチキンソテーが載っていて、カップスープと白ワインが付けられている。山小屋では珍しくナイフとフォークを使う。チキンは味もよくおいしくいただけた。皿が1枚だと片付ける手間も省けて合理的だと感じた。天井の低いロフトで横になり、8時半消灯だがいつの間にか寝てしまっていた。眼が覚めるとまだ午後10時前で山小屋の人はまだ起きていた。外に出ると夜空に星が輝いていて明日の晴れを予想させる。その後は夢とうつつが相い半ばしながら一夜を過ごす。山ではぐっすり眠るということはなく何時もこうなのだ。でもどこかで寝ているのか昼間は眠いということは全くない。
金峰山小屋付近から八ヶ岳連峰と瑞牆山(右下)
2日目(9月28日):木曽御嶽山が噴火したとの知らせがあり怪我人も出ている様子である。西の方角にはそれらしき山に噴煙が上がっているのが見える。噴煙は標高4000mくらいまで上がって、それからは横に流れている様子だ。
山小屋での朝食は何種類もの佃煮や梅干しなどをお粥の上に載せていただく。朝はあまり食欲がないのでこういう朝食もなかなかいいと思う。ということでお粥は2杯ほどおいしくいただいた。お茶は使ったお椀についで飲む。山では水が貴重だからこれも合理的な方法だ。朝食をとり身支度してから小屋を出発する。小屋を出ると八ヶ岳連峰と眼下の瑞牆山が朝日に輝いている。
金峰山五丈岩
急登を25分程こなすと金峰山五丈岩に到着する。360度の展望はまさに奥秩父随一といえる。少し靄っている富士山を見てから記念撮影をする。五丈岩の右側に標識があり右方向に下る稜線を行く。普通の山道だが岩塊が多いところもあり、歩きにくいところは慎重に下って行く。
金峰山五丈岩より富士山
金峰山五丈岩から砂払ノ頭に向かう稜線
右手に金峰山小屋からの巻き道と合わさると、千代の吹上という岩場が出てくる。左側の山梨県側が切れ落ちた崖のすぐ脇を通過して行く。昭文社の登山地図には危険マークがあるが登山道の幅は十分あるので、崖側に滑落する危険はない。確かに落差の大きな崖ではあるが、それを除けば普通の山道だ。
また千代ノ吹上には伝説がある。それによると、昔、ある夫婦が周囲の止めるのも聞かず女人禁制の金峰山へ登ることになる。途中で女房の千代が崖から転落してしまった。亭主は神の祟りと恐れ飲まず食わずで祈願した。すると7日目に千代が風に吹き上げられて戻ってきた。それからこの断崖絶壁を千代ノ吹上と言うようになったそうです。だが、この変わった地名が北アルプスの朝日岳下にもある。栂海新道と五輪尾根の分岐が千代ノ吹上(吹上のコル)と呼ばれる所だ。そこと金峰山のこの場所とは一体どういう関係があるんだろうか?この先、岩塊の積み重なるところでは赤い矢印マークがあるもののほとんど消えていて迷いやすい。砂払ノ頭までが森林限界となっている。
大日岩から大日小屋に向かう途中から見た噴煙を上げる木曽御嶽山
砂払ノ頭からは岩塊が所々にある樹林の稜線を急下降していく。しばらくの下りで目の前に大日岩が出てくる。大日岩の手前には大日小屋への標識がある。ここを左折して縦八丁の下りとなる。南アルプスが見え木曽御嶽山は今朝見たときより噴煙が高く上がっているように見える。巨岩の脇を通って行くと大日小屋にでる。小屋を左下に見て岩の間を通り進んで行く。鷹見岩の標識を左に見てから飯森山を巻くようにして進む。やがて広々とした富士見平小屋に到着する。
瑞牆山山頂より歩いてきた金峰山五丈岩が見える
富士見平小屋前の空き地にザックをデポしてアタックザックに変える。瑞牆山へは富士見平小屋の先を右折する。小川山分岐から急下降して天鳥川を渡る。直ぐに二つに割れた巨岩の桃太郎岩が出てきて右手の階段を上がる。あとは暗い谷間をひたすら右へ左へと方向を変えながら登って行く。やはりアタックザックだと軽いので急な登りも比較的楽だ。岩や木々の間の急登がしばらく続く。コースを示す赤い矢印がほとんど消えかけている。大ヤスリ岩を左に見て山頂西の鞍部に上がり北側に回り込んで行く。最後の2か所の露岩には鎖と鉄階段が付けられている。ここを越えると直ぐ目の前に瑞牆山山頂の岩畳がある。多くの登山者が休憩していた。
瑞牆山山頂より大ヤスリ岩と周辺の風景
木曽御嶽山噴火の影響からか空全体がもやって見える。富士山も層になった雲で不思議な見え方をしている。瑞牆山山頂では巨岩を眺めたり絶壁をのぞき込んだりする。若い人たちは少し離れた岩に飛び乗って写真撮影をしている。しばしの休憩をしてから来た道を下山する。下りの方が登りよりルートが見えて歩きやすく感じる。ひたすら下り天鳥川を渡ってから今日最後の急登となる。富士見平小屋に戻り急いで次の出発の支度をする。バス時刻に間に合わせるべくみずがき山荘へと向かう。なんとかバス発車時刻の15分前に到着する。小型のバスで座り切れず立つ人もでた。日帰り湯の増富の湯で降りる人が多い。韮崎駅では次の列車まで少し時間がある。構内の丸政そば店に入り、無事を祝い生ビールで乾杯した。今回の金峰山、瑞牆山は一番楽なコースを選んだ。それでも百名山2山踏破は歩きがいのある2日間であった。
大弛峠~北奥千丈岳~金峰山~瑞牆山~みずがき山荘のコース断面図
総歩行距離18.8km 累積標高1,610m -2,456m
1日目:歩行距離7.9km 累積標高690m -602m
2日目:歩行距離10.9km 累積標高920m -1,854m
コースタイム
1日目:JR塩山駅(バス)8:20発~9:30大弛峠9:40→10:20前国師→10:30北奥千丈岳10:45→10:56国師ヶ岳11:30→12:08大弛峠12:20→12:52朝日峠→13:45朝日岳→金峰山→15:00五丈岩15:10→15:35金峰山小屋(泊)
2日目:金峰山小屋6:10→6:35金峰山五丈岩6:45→7:42砂払ノ頭→8:37大日岩→9:10大日小屋→9:52富士見平小屋10:05→11:50瑞牆山12:20→12:37富士見平小屋13:42→14:10みずがき山荘(バス)14:25発~韮崎駅
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